麻雀の打ち方 その5

麻雀の鳴きの判断 — 鳴いていい手と鳴かない手

麻雀で鳴くと面子が1組すぐ確定するけれど、立直も平和も裏ドラも消えるにゃ。鳴いて成立する役があるかを先に確かめて、速度と打点のどちらを取るかを決めるのがコツだにゃ。

鳴きで手に入るもの・失うもの

チー・ポン・明槓をすると、面子が1組その場で確定するにゃ。うまく噛み合えば向聴数が1つ進み、そのぶん手が早くなるのが鳴きの利点(すでにある刻子を槓にするだけの明槓のように、向聴数が動かない鳴きもあるので、鳴く前と後で数えて確かめる)。チーとポンの成立条件そのものは第5章にまとめてある(チーは上家の打牌だけ、ポンは誰の打牌でも可。本ゲームの三人麻雀にはチーが無い)。

その代わりに失うものは3つある。ひとつ目は門前限定の役で、立直・一発・門前清自摸和・平和・一盃口・二盃口・七対子がまとめて消える。立直が消えると裏ドラも見られなくなるにゃ。ふたつ目は食い下がりで、三色同順や混一色などは翻数が1つ下がる。

3つ目は守備力にゃ。鳴くたびに手の内の牌は3枚ずつ減り、13枚 → 10枚 → 7枚と短くなる。残った牌は使っているブロックばかりなので、他家の立直を受けたときに切れる安全牌がほとんど無い、という状態になりやすい。

ポンで手の内は3枚減る
中中中
手牌の対子2枚が卓の上に出て、さらに1枚打牌するので、13枚の手の内が10枚になるにゃ。

役があるかが最初の関門

鳴くかどうかを考える前に、確かめることがひとつあるにゃ。その手は鳴いても役が付くのか、という点。役が1つも無い手は形がそろっても和了できず、本ゲームでは和了ボタンを押した瞬間に「役が無いのでアガれません」と表示される(第3章)。ドラをいくら持っていても役の代わりにはならない。

鳴いても消えない役は下の表の通りにゃ。ここに載っている役のどれかが見えているなら鳴く価値があるし、どれも見えないなら、鳴いた瞬間に和了できない手になる。

鳴いても狙える役(翻数は副露したときの値)
副露時の翻数鳴きやすさの目安
役牌
白・發・中・場風・自風
1翻対子が1組あれば刻子にできる。いちばん鳴きやすい
断幺九
1翻2〜8の数牌だけ。喰い断が「有り」のときのみ(本ゲームの初期設定は有り)
対々和
2翻対子が3組以上あるとき。ポンを重ねて刻子4組にする
混一色
2翻門前なら3翻。1色+字牌に寄せる。役牌と重なりやすい
清一色
5翻門前なら6翻。遠いが打点は最大級
混老頭
2翻1・9と字牌だけ。順子が作れないので対々和と必ず複合する
小三元
2翻三元牌2種を刻子、1種を雀頭。役牌2翻も一緒に乗る
三色同順・一気通貫・混全帯幺九
食い下がり
1翻門前なら2翻。1翻ぶん下がるので、ドラや別の役と足したい
純全帯幺九
食い下がり
2翻門前なら3翻

翻数は本ゲームの判定に沿った値にゃ。門前との対比は第10章の表にまとまっている。

鳴いていい典型 — 役と打点が見えるとき

役が確定していて、そこに打点も乗っているなら鳴きの出番にゃ。代表的なのは次の4つ。

①役牌の対子があって、ドラや赤ドラを持っている。役牌1翻だけでは1,000点にしかならないが、ドラが2〜3枚あれば3,900点〜満貫クラスになる。②混一色・対々和・混老頭・小三元のように、もともと鳴いて作る役が見えている。これらは食い下がりが無い(混一色だけ1翻下がる)ので、鳴いても打点が残るにゃ。

③親番で連荘したい、オーラスで逆転条件がある、といった速度が要る場面(第4章)。④対子や刻子が多くて、門前では受け入れが2枚ずつしか無い手。こういう手は自力で引くのを待つより、他家の打牌をもらったほうが圧倒的に早い。

役牌+ドラ — 鳴いて打点が付く形(13枚)
三萬四萬五萬八萬二筒五筒五筒五筒六索七索八索中中
ドラが5筒のとき、中をポンして8萬を切れば2筒の単騎待ちで聴牌。役牌1翻+ドラ3枚で4翻30符、子のロンで8,000点にゃ。
対子が多い手 — 門前では進みにくい
一萬一萬九萬九萬東東中中
対子が刻子になる牌は2枚ずつしか残っていない。ポンを重ねて対々和に向かうか、七対子(門前限定)に絞るかの分かれ道にゃ。

鳴かないほうがいい典型 — 打点と守備を失うだけのとき

逆に、次のような場面では鳴かずに門前で進めたほうがいいことが多いにゃ。

①鳴いても役が付かない。これは判断以前の問題で、鳴いた瞬間に和了できない手になる(例題2)。②門前でも十分早くて、待ちも良い一向聴。立直をかければ立直・一発・裏ドラ・ツモが乗るので、1翻の鳴きより打点がずっと高くなる。

③食い下がりで打点だけが落ちる場面(例題3)。三色同順や一気通貫を1翻で鳴くと、満貫クラスの手を2,000点に変えてしまうことがあるにゃ。④他家に立直が入っていて、自分の手が安い。鳴いて手の内を短くすると、降りたくなったときに切る牌が無くなる。

門前と副露で打点はどれだけ変わるか

同じ和了形を門前で作った場合と、鳴いて作った場合で点数を並べてみるにゃ。3つとも子の和了・ロン・ドラ無しで計算している。符の数え方と点数早見表は第11章。

食い下がりが無い役牌の手でも、立直と門前ロンの10符が消えるぶん点数は落ちる。逆に混一色のように、鳴いても2翻残る役なら差は小さいにゃ。

①役牌(中)+順子3組
二萬三萬四萬四筒五筒六筒九筒九筒六索七索八索中中中
6索7索の両面待ちを8索でロンした形。雀頭は9筒。
②断幺九+三色同順
三萬四萬五萬三筒四筒五筒七筒七筒三索四索五索六索七索八索
順子4組+7筒の雀頭。6索7索の両面待ちを8索でロン。門前なら平和も付くにゃ。
③混一色(萬子+中)
一萬二萬三萬四萬四萬五萬六萬七萬九萬九萬九萬中中中
5萬6萬の両面待ちを7萬でロン。9萬は手の中でそろえた暗刻、雀頭は4萬。
同じ和了形の門前と副露(すべて子のロン、ドラ無し)
和了形門前副露(鳴き)
①役牌(中)
中を暗刻でそろえて立直/中をポン
立直+役牌 2翻 20符+門前ロン10+中の暗刻8=38 → 40符 2,600点役牌 1翻 20符+中の明刻4=24 → 30符 1,000点
②断幺九+三色同順
順子はすべて自力/3〜5索をチー
平和+断幺九+三色同順 4翻 平和ロンは30符固定 8,000点(切り上げ満貫)断幺九+三色同順 2翻 20符(副露の20符は30符扱い) 2,000点
③混一色(萬子+中)
中を暗刻でそろえる/中をポン
混一色3翻+役牌1翻=4翻 20符+門前ロン10+中の暗刻8+9萬の暗刻8=46 → 50符 8,000点(満貫)混一色2翻+役牌1翻=3翻 20符+中の明刻4+9萬の暗刻8=32 → 40符 5,200点

①は2,600点が1,000点に、②は8,000点が2,000点に落ちる。③は食い下がりが1翻だけで暗刻の符も残るので、8,000点→5,200点で済むにゃ。門前の①は立直を足しての比較、②は立直なしでも4翻あるので切り上げ満貫になる。

例題1 — 役牌をポンするか

東1局・南家。ドラは3索。対面が中を切った。手は一向聴で、中は自分の手に2枚。ポンする?

自分の手牌(13枚)
二萬三萬四萬九萬五筒六筒七筒三索三索六索七索中中
対面が切った中
中
ポンした場合とスルーした場合
選択向聴数有効牌(残り枚数)和了したときの点数
ポンして9萬切り
聴牌5索4・8索4=8枚(和了牌)役牌+ドラ2で3翻30符 子のロン3,900
スルー
一向聴中1・3索2・5索4・8索4=11枚(聴牌になる牌)中を引ければ立直+役牌+ドラ2で満貫級

ポン後の符は20符+中の明刻4=24で切り上げて30符。ドラの3索は雀頭の2枚ぶん。中は場に1枚出たので残り1枚にゃ。

例題2 — チーすると役が無くなる

上家が4萬を切った。3萬と5萬で挟めるのでチーできるが、チーすると何の役も付かない。どうする?

自分の手牌(13枚)
三萬五萬八萬二筒三筒四筒五筒六筒七筒三索四索九索九索
上家が切った4萬
四萬

例題3 — 食い下がりで打点が落ちる

3〜5萬と3〜5筒の面子があり、3索4索が埋まれば三色同順が見える一向聴。そこへ上家が5索を切った。チーすれば聴牌だが、三色は2翻から1翻に下がり、立直も平和も消える。どうする?

自分の手牌(13枚)
三萬四萬五萬九萬三筒四筒五筒七筒七筒三索四索六索七索
上家が切った5索
五索
チーした場合とスルーした場合
選択向聴数有効牌(残り枚数)和了したときの点数
チーして9萬切り
聴牌5索3・8索4=7枚(和了牌)断幺九+三色同順 2翻30符 子のロン2,000
スルー
一向聴2索4・5索3・8索4=11枚(聴牌になる牌)5索を引くと2索・5索・8索の三面待ち 5索・8索なら立直+平和+断幺九+三色同順で満貫8,000 2索は三色が付かず3翻30符で3,900

チー後の符は順子だけ・両面待ち・無符の雀頭で20符ちょうど。副露した手の20符は30符として扱う。5索は上家が切った1枚が卓に出たので残り3枚にゃ。

例題4 — 混一色はポンで一気に進む

東場の南家。萬子と字牌に寄った手で、対子が3組ある。上家が中を切った。ポンする?

自分の手牌(13枚)
一萬一萬三萬四萬五萬七萬八萬九萬五筒東東中中
上家が切った中
中
ポンした場合とスルーした場合
選択向聴数有効牌(残り枚数)和了したときの点数
ポンして5筒切り
聴牌1萬2・東2=4枚(和了牌)子のロンで、東なら4翻30符8,000 1萬なら3翻30符3,900(1萬のツモは40符3翻で5,200)
スルー
一向聴1萬2・中1・東2=5枚(聴牌になる牌)門前で仕上がれば混一色3翻+役牌2つで満貫級

東場なので東は場風牌で1翻。ポン後の符は、東で和了した場合が20符+中の明刻4+東の明刻4=28で切り上げて30符、1萬で和了した場合が20符+中の明刻4+1萬の明刻4+東の雀頭2=30符にゃ。シャンポン待ちをロンで埋めた刻子は明刻として数える(第11章)。

鳴いたあとに考えること

鳴いて聴牌したら、そのあとの選択肢は門前の手より少なくなるにゃ。手の内が短いぶん、他家の立直に降りようとしても安全牌が足りない。だから鳴く前に、守備力が落ちることまで含めて決めておきたい。鳴いたあとも他家の攻撃に応じて押し引きは見直すにゃ(その4)。

もうひとつ、鳴いた面子は全員に見えている。中をポンしたあと萬子以外を切り続けていれば、萬子の混一色を警戒されるにゃ。高い手ほど警戒されて、当たり牌が出にくくなる。鳴きは速度と引き換えに、手の内を明かす行為でもある。

この記事のまとめ

  • 鳴く前に「鳴いても役が付くか」を確かめる。役が無ければ形がそろっても和了できない。
  • 鳴いても消えないのは役牌・断幺九(喰い断有りのとき)・対々和・混一色・清一色・混老頭・小三元など。立直・平和・一盃口・門前清自摸和・七対子は消える。
  • 三色同順・一気通貫・混全帯幺九は1翻、純全帯幺九・混一色は1翻ぶん下がる(食い下がり)。
  • 役牌+ドラ、混一色、対々和、対子の多い手は鳴きが効く。良形で門前でも早い手、打点が落ちるだけの食い下がりは鳴かない。
  • 鳴くたびに手の内は3枚ずつ減り、降りる余地も減る。鳴く前に守備力の低下まで含めて決めるにゃ。
  • 暗槓だけは門前を崩さないので立直は打てる。ただし槓子があると平和は付かないにゃ。