麻雀の打ち方 その8
麻雀の形式聴牌 — 流局間際に聴牌を取る判断
形式聴牌は、役が無くても待ちが残っていなくても、流局の時点で聴牌していれば聴牌料を受け取れる決まりを使う打ち方にゃ。鳴くか押すかを点数で比べていくにゃ。
形式聴牌とは — 流局のための聴牌
形式聴牌(形テン)は、和了するためではなく、荒牌流局したときに聴牌料を受け取るために取る聴牌のことにゃ。役が無い、待ちがほとんど残っていない、といった「和了にはほぼ届かない聴牌」でも、流局の時点で聴牌していれば聴牌料は受け取れる(第9章)。
中盤までは和了を目指して打つのが基本で、形式聴牌は終盤だけの考え方にゃ。山の残りが少なくなって、和了まではもう届かないけれど聴牌だけなら取れる。そういう手を最後にどう扱うかの話だにゃ。
聴牌料でどれだけ動くか — 四人麻雀なら2,500〜3,000点
聴牌料は、流局したときの聴牌者の人数で決まるにゃ。形式聴牌を取るかどうかで変わるのは、自分が「聴牌した側」に入るか「不聴の側」に入るか。その差は、ほかの3人のうち何人が聴牌しているかで次のようになる。
| 他家の聴牌人数 | 自分が聴牌 | 自分が不聴 | 差 |
|---|---|---|---|
0人 | +3,000 | ±0 | 3,000点 |
1人 | +1,500 | -1,000 | 2,500点 |
2人 | +1,000 | -1,500 | 2,500点 |
3人 | ±0 | -3,000 | 3,000点 |
他家が何人聴牌していても、差は2,500〜3,000点にゃ。三人麻雀(1人聴牌 +3,000/-1,500、2人聴牌 +1,500/-3,000)では、どの場合も差が3,000点になる。
いつから意識するか — 山の残り枚数
目安にするのは、卓の中央に出ている山の残り枚数にゃ。四人麻雀なら4枚でおよそ1巡なので、残りを4で割るとあと何回ツモれるかの見当が付く(三人麻雀は3で割る。自分の席順や鳴きで1回前後する)。残りが20枚を切ったあたりで、この手は和了まで届くのか、聴牌だけなら届くのかを一度見直すにゃ。
和了が見える手は、そのまま和了を目指して打つにゃ。形式聴牌に切り替えるのは、打点が無い・待ちが悪い・あと1〜2回しかツモれない、という手で、和了の可能性より聴牌料の差(四人麻雀で2,500〜3,000点、三人麻雀で3,000点)のほうが確実に取れるときだけ。
反対に、もう聴牌も届かない手なら、無理に形を追わずに降りればいいにゃ。形式聴牌を狙うのは「あと1枚で聴牌」くらいまでで、二向聴から残り数回のツモで聴牌を目指すのは、たいてい危険牌を切る回数が増えるだけだにゃ。
終盤に確かめる順番
山の残りが少なくなったら、次の順番で手を見直すと迷いにくいにゃ。上から順に、答えが決まったところで止めればいい。
| 順番 | 確かめること | 決まること |
|---|---|---|
① | あと何回ツモれるか(残り枚数を四人麻雀は4、三人麻雀は3で割る) | 和了まで届くか、聴牌までしか届かないか |
② | あと何枚で聴牌か | 一向聴なら形式聴牌の候補。二向聴より遠いなら降りを考える |
③ | 立直や大きな副露が入っているか | 押していいのは当たりにくい牌だけか、どこまで危険を取れるか |
④ | 鳴ける牌があるか | チー・ポンで聴牌が取れるなら、ツモを待たずに取れる |
⑤ | 自分は親か、いま何位か | 聴牌の価値が上がるか下がるか(このあとの2節) |
①と②で「和了はもう届かない、でも聴牌は届く」と分かった手だけが、形式聴牌の出番にゃ。
鳴いて聴牌を取る
終盤の形式聴牌でいちばん確実なのは、チーやポンで聴牌を取ることにゃ。ツモを待たずに、他家の捨て牌1枚で聴牌まで進める。
本ゲームでは、鳴いたあとに役が残るかどうかに関係なく、形が合えばチー・ポンのボタンが出るにゃ。だから役の無い鳴きもできる。ただし、その手は形がそろっても和了できない。和了ボタンを押しても「役が無いのでアガれません」と表示されるだけだにゃ(その5)。形式聴牌の鳴きは、聴牌料を受け取るためだけの鳴きだと割り切っておく。
例外は最後の1枚にゃ。山の最後の牌をツモって和了すれば海底摸月、最後の捨て牌でロンすれば河底撈魚で、どちらも1翻の役になる(ほかに、カンをした直後の嶺上牌でツモれば嶺上開花が付く)。鳴いて役が無い聴牌でも、こうした場面だけは和了の目が残っている。
もうひとつ、最後の捨て牌(山の残りが0枚になってから切られた牌)は鳴けないにゃ。ロンはできるけれど、チーやポンで聴牌を取るチャンスはその1つ前の捨て牌までだと覚えておく。
門前の役なし聴牌と立直
門前のまま聴牌しているなら、役が無くてもツモれば門前清自摸和が付くので、和了の目はまだあるにゃ。鳴いて取った形式聴牌とはここが違う。
では立直で役を付けるべきか。立直ができるのは山の残りが4枚以上あるときだけで、終盤の立直は和了のチャンスが残り数回しかないにゃ。一方で、立直棒の1,000点は流局しても戻ってこない(場に残って、次に和了した人のものになる)。聴牌料だけを考えるなら、聴牌していれば立直してもしなくても受け取る額は同じだにゃ。
だから流局間際の役なし聴牌は、聴牌料を取るだけなら立直は要らないにゃ。1人聴牌で受け取る3,000点も、立直すれば実質2,000点に減る。立直するかどうかは、残りのツモ回数と待ちの広さで和了がまだ見込めるかどうかで決める(その3)。
危険牌を押してまで取るか
他家から立直が入っているときは、形式聴牌で取れる点数と放銃の損を比べることになるにゃ。四人麻雀で考えると、立直者は聴牌しているので、自分が聴牌するかどうかで動く差は2,500点(ほかの2人も聴牌していれば3,000点)。一方で、子の立直に満貫を放銃すれば8,000点を失う。
単純化して計算すると、「その牌を1枚切れば聴牌、切らなければ不聴」という場面で、相手が子の満貫ならその牌が当たる確率がおよそ4回に1回を超えたところで押し損になるにゃ(降りても不聴の支払いがあることまで入れて26%くらい)。相手が親の満貫(12,000点)なら、境目は5回に1回より少し下(18%くらい)まで下がる。
ただし、これは1枚だけ押す場合の計算にゃ。聴牌を保つには次の巡目にも牌を切るので、そこで危険な牌を引けばもう一度同じ判断が来る。押すかどうかは、当たる形の少ない牌(現物・スジ・見えている字牌)で取れるか、押したあとに降りへ戻る現物が手に残っているかで決めるにゃ(その2・その4)。
| 場面 | 判断 |
|---|---|
誰も立直していない | 聴牌が取れるなら取る。鳴いて取るのも有り |
立直者がいて、現物で聴牌が取れる | 取る。待ちが悪くても、単騎や振聴でも構わない |
スジなど当たる形の少ない牌を1枚切れば取れる | 取る。次に危ない牌を引いたときに切れる現物が残っているとなお良い |
無スジの中張牌を何枚も押すことになる | 降りる。聴牌料より放銃の損のほうが大きい |
自分が親 | 連荘の価値が乗るぶん、子より少し積極的に取る |
オーラスで順位が聴牌料で入れ替わる場面は、その6の表(相手との差がどれだけ動くか)で個別に確かめるにゃ。
順位で変わる形式聴牌の価値
聴牌料の差(四人麻雀で2,500〜3,000点)がどれだけ重いかは、自分の順位と点差で変わるにゃ。点数そのものは同じでも、それで順位が動くかどうかがまったく違うからだにゃ。
価値が上がるのは、ラス目や、すぐ上・すぐ下の相手と数千点差で競っているときにゃ。四人麻雀では、自分が聴牌して相手が不聴なら2人の差は3,000〜4,000点動く(その6の表。三人麻雀なら4,500点)。終盤の流局1回で順位が入れ替わるのは珍しくない。
反対に価値が下がるのは、大きくリードしたトップ目のときにゃ。聴牌料を取っても取らなくても順位は変わらない一方で、放銃すれば相手に点が移って差が一気に縮む。とくに2着の立直に直撃すると、自分が減ったぶんと相手が増えたぶんの両方で差が詰まるにゃ。トップ目が2着の立直に危険牌を押してまで形式聴牌を取る理由は薄い。安全な牌で取れるときに取れば十分にゃ(例題4)。
もうひとつ、ラス目でも上との差が大きすぎるなら、聴牌料では届かないにゃ。そのときは形式聴牌より、打点のある和了を目指せる手かどうかを先に考える。
オーラスの親 — 聴牌と順位で続くか終わるかが決まる
オーラスで流局したとき、次に進むかどうかは、親が聴牌しているかと、聴牌料を精算した後に親がトップかどうかで決まるにゃ。本ゲームの動きは次の3通り。
| 親の状態 | その後 |
|---|---|
聴牌していて、聴牌料を受け取った後にトップ | そこで対局終了(テンパイやめ。選択画面は出ない) |
聴牌していて、聴牌料を受け取った後もトップではない | 連荘して、もう1局続く |
不聴 | 親が流れて、そこで対局終了 |
トップかどうかは聴牌料を精算した後の点数で決まるので、子の聴牌も無関係ではないにゃ。たとえば親30,000点・子A 31,000点(残り2人は20,000点と19,000点)で流局したとき、親だけが聴牌なら親は33,000点でトップになって終了。子Aも聴牌していれば親31,500点・子A 32,500点で、親はトップにならず連荘する。
例題1 — 役の無いチーで聴牌を取るか
子で、山の残りは8枚。誰も立直していない。上家が6萬を切った。チーすれば聴牌になるけれど、役は付かない。鳴く?














例題2 — 聴牌が残る現物を探す
子で、山の残りは7枚。対面が立直している。自分は7索8索9索をチーしていて、手に役は無い。5筒を切れば7筒8筒の両面で聴牌になる。何を切る?




















例題3 — 待ち牌が1枚も残っていない聴牌
子で、山の残りは5枚。誰も立直していない。自分の聴牌は4萬待ちの嵌張だけれど、4萬は河と副露に4枚とも見えている。西をツモってきた。この聴牌は崩すべき?


















例題4 — トップ目は危険牌を押してまで形式聴牌を取らない
南4局(オーラス)、山の残りは6枚。自分は子で38,000点のトップ。2着の対面が22,000点(立直棒を出したあと)で立直している。8索を切れば聴牌、1筒を切れば一向聴。どっちを切る?




















この記事のまとめ
- ✓形式聴牌は、和了ではなく流局時の聴牌料のために取る聴牌。考えるのは終盤だけにゃ。
- ✓本ゲームの流局時の聴牌は形だけで判定。役なし・振聴・待ち牌が全部見えている聴牌も聴牌になる。
- ✓聴牌と不聴の差は四人麻雀で2,500〜3,000点、三人麻雀で3,000点。親は連荘も付く。
- ✓役が無くてもチー・ポンはできる。和了はできないが、最後の1枚の海底・河底などでは役が付く。
- ✓最後の捨て牌は鳴けない。聴牌料のためだけなら立直は要らない(立直棒は流局で戻らない)。
- ✓立直者がいるときは、当たる形の少ない牌で取れるかと、降りに戻る現物が残るかで決める。無スジを何枚も押す形式聴牌は取らない。
- ✓ラス目や接戦では価値が上がり、大きくリードしたトップ目では下がる。
- ✓オーラスの親は、聴牌料を精算した後にトップなら終了、トップでなければ連荘、不聴なら終了。本ゲームは聴牌を伏せられないので、終わらせたいなら自分で崩す。