麻雀の打ち方 その7
麻雀の捨て牌読み — 河と副露から手を推測する
捨て牌読みで分かるのは相手の手牌そのものではなく、その人が何を要らないと判断してきたかの傾向にゃ。河の並びと副露から絞れるところまで絞って、牌の危険度の順番に反映させていくにゃ。
捨て牌から分かるのは「傾向」だけ
捨て牌読みは、他家の河(捨て牌の並び)と副露から、その人がどんな手を作っているのかを推測することにゃ。ただし最初に断っておくと、河を見て相手の手牌を言い当てることはできない。同じ河にたどり着く手牌は何通りもあるからだにゃ。
河が教えてくれるのは「その人がその時点で要らないと判断した牌」だけ。そこから逆算できるのは使っていなさそうな色や数字の帯といった傾向であって、待ちの1点ではないにゃ。待ちを1種類に絞る一点読みは、よほど特殊な形でないと成立しない。
だから捨て牌読みの使いどころは、その2で覚えた安全度の順番を少し入れ替えることにゃ。現物・スジ・壁・字牌の残り枚数という土台があって、その上に読みを乗せる。読みだけで切る牌を決めるのは順番が逆だにゃ。
本作の画面で読める材料
読みを始める前に、対局画面に何が出ているかを確かめておくにゃ。読めるのは画面に出ているものだけで、出ていないものは読みようがないからだにゃ。
他家3人の河は、常に全部見えているにゃ。牌は切った順に6枚ずつ並んで2段目まで折り返し、3段目からは折り返さずに横へ伸びていく。だから「どの牌を先に切って、どの牌を後から切ったか」という順番は、あとからでも並びをたどれば分かるにゃ。
立直の宣言牌は横向きに置かれるので、河のどのあたりで立直がかかったのかも見れば分かるにゃ。副露も4人ぶんが常に表示されていて、鳴いた牌だけが横向きになる。その横向きの牌の位置が出どころを表していて、左端なら上家、真ん中なら対面、右端なら下家から鳴いた牌にゃ(チーは上家からしかできないので必ず左端)。暗槓は両端の2枚が裏向きで、中の2枚が表向きなので、何を暗槓したかは全員に見えるにゃ。
卓の中央には山の残り枚数が出ているにゃ。あと何回ツモがあるかの目安になるので、終盤に降りるかどうかを決めるときに使うにゃ。
もうひとつ、マウスで自分の手牌にカーソルを合わせると、4人の河と副露にある同じ牌が青く光るにゃ。壁を数えるときや、字牌が場に何枚出ているかを確かめるときにそのまま使えるにゃ(タッチ操作での挙動は端末によるにゃ)。
序盤の捨て牌 — 何から切ったか
配牌から4〜5巡目あたりまでの捨て牌には、手作りの方針がいちばん素直に出るにゃ。まだ聴牌までは遠く、切っているのは「どう見ても使わない牌」だからだにゃ。
字牌から切る人は多い。字牌は順子が作れず、役になるのは刻子にしたときだけなので、使い道の無い字牌が真っ先に出てくるのは自然にゃ。逆に、序盤に字牌が1枚も出てこない相手は、字牌を対子で抱えている(役牌・七対子・混一色)ことがある。ただし数牌の整理を先にしているだけ、という場合も多いにゃ。
字牌より先に1・9が出てくるなら、抱えたい字牌がある可能性が少し上がるにゃ。1と9は順子の作り方がいちばん少なく(1は2・3と組むしかない)、字牌と並べれば先に切られてもおかしくない牌だからだにゃ。
情報量が大きいのは、序盤に出てくる4〜6の中張牌にゃ。中張牌は順子の作り方がもっとも多い牌なので、それを早々に手放すのは、その周りのブロックがもう足りているか、その色ごと使わないと決めたかのどちらかであることが多い。
ドラ切りも同じ見方をするにゃ。ドラは1枚1翻なので、序盤にそれを手放すなら、ドラの周りに何も無い孤立牌だったか、打点より形を優先したか、ドラの色を使わない手に決めたか。「安い手」と決めつけるのは早いし、4筒5筒5筒6筒からドラの5筒を1枚切るような形もあるにゃ。ドラの周りを使っていないかもしれない、くらいの手がかりにとどめるにゃ。



河の色の偏り — 混一色を警戒する
河を色ごとに数えるのは、いちばん手軽で根拠もはっきりしている読みにゃ。萬子・筒子・索子が何枚ずつ、字牌が何枚。この4つの数字を見るだけで、警戒すべき相手がいるかどうかが分かるにゃ。
ある色が早くから何枚も出ているなら、その色の混一色・清一色である可能性は下がるにゃ。混一色はひとつの色を9枚前後使う手なので、序盤にその色を切っているのは形が合わない。ただし余った牌を先に処理しているだけのこともあるので、消し込みきれるわけではないにゃ。
逆に、ある色が1枚も出ていない場合は2通りにゃ。その色に寄せているのか、単にその色を引けていないのか。見分ける材料は、ほかの2色の中張牌まで切られているか、役牌や同じ色の副露があるか、字牌が河に出ているかの3つ。字牌が出ていて1色だけ出ていないなら清一色寄り、字牌も出ていないなら混一色寄りにゃ。
混一色を警戒すると決めたら、上書きするのは色まるごとにゃ。その色は無スジ以上に危険で、字牌も同じ側に入る(混一色は字牌を使う手だから)。代わりに、ほかの2色は読みが当たっていればそもそも当たらない。
もうひとつ忘れがちなのは、その色が河に1枚も無いということは、その色にはスジが1本も通っていないという事実でもあること。読み以前に、その色は全部が無スジにゃ。ただし鳴かれた牌は河から消えているので、副露の横向き牌から「元は誰が切った牌か」もたどっておくにゃ。消えた牌でも、切った本人にとっては現物のままだにゃ。






副露からの読み — 何を鳴いたか、手の内は何枚か
鳴いた面子は全員に見えているにゃ。13枚の手牌のうち3枚が表になるので、河の次に情報量が多いのが副露だにゃ。しかも鳴いた面子はあとから崩れないので(ポンした刻子に4枚目を足して加槓になることはある)、序盤の河と違って情報が古くならないにゃ。
まず、鳴いても役が無い手は和了できない(その5)。だから鳴いている相手には、必ず何かの役の当てがあるにゃ。何を鳴いたかを見れば、その候補が絞れる。
| 副露の中身 | 見える役の候補 | 危険度が動く牌 |
|---|---|---|
役牌のポン 白・發・中・場風・自風 | 役牌1翻が確定 | 打点までは分からない。河や次の副露と合わせて見る |
2〜8の数牌だけの副露 | 断幺九(本ゲームは喰い断有りが初期設定) | 断幺九だけの手なら1・9・字牌では和了できない。ただし手の内の役牌の暗刻などは副露からは見えない |
1・9・字牌を含む面子ばかり | 混全帯幺九・純全帯幺九・混老頭・対々和 | 1・9・字牌とその周りが危険側、4・5・6が安全側に動く |
同じ色ばかりの副露 | 混一色・清一色 | その色が危険。混一色なら字牌も同じ側 |
ポンばかりが続く | 対々和 | 順子が無い手なので、待ちはシャンポンか単騎に寄る |
どれも「候補が絞れる」だけで、確定ではないにゃ。役牌を1つ鳴いただけの手は、そこから混一色にも対々和にも伸びる。
副露の数で手の内の枚数が決まる
ここは読みではなく算数にゃ。副露が1つ増えるごとに手の内は3枚ずつ減るので、卓を見ればその人が何枚の手牌で何を作ろうとしているかがそのまま分かるにゃ。
| 副露の数(暗槓を含む) | 手の内の枚数 | 残りで作るもの | 分かること |
|---|---|---|---|
0(暗槓も無い) | 13枚 | 4面子+雀頭 | 材料は河だけ。立直が無ければ聴牌かどうかも分からない |
1つ | 10枚 | 3面子+雀頭 | まだ形の自由度が大きい |
2つ | 7枚 | 2面子+雀頭 | 中盤以降なら聴牌していてもおかしくない |
3つ | 4枚 | 1面子+雀頭 | 待ちの候補がかなり狭い。切っている牌の意味も重い |
4つ | 1枚 | 雀頭だけ | 単騎待ちで確定(何の単騎かは分からない) |
暗槓は門前のままだが、卓に4枚並ぶぶん手の内は3枚減るので、この表では副露と同じ1つと数えるにゃ。加槓はすでにポンしている面子に足すだけなので、数は増えない。
立直の宣言牌とその前後
立直がかかったら、まず河のどこで宣言したかを確かめるにゃ。宣言牌より前と後では、河の意味がまったく違うからだにゃ。
宣言牌より後ろの河は、全部ツモ切りにゃ。本ゲームでは立直後に打牌を選ぶことができず、カンと和了以外は入力を受け付けない。つまり立直後に伸びた河は、山から出てきた牌の記録であって相手の手の情報ではないにゃ。現物としては使えるけれど、読む材料にはならない。
読む材料になるのは宣言牌までの河にゃ。とくに宣言牌の直前の数巡は、聴牌に向けて要らないブロックを外していた時期なので、そこで切られた色や数字の帯は手に使われていない可能性が高いにゃ。
一方で、宣言牌そのものは深読みしないにゃ。宣言牌は「聴牌を取ったときに余った牌」であって、待ちと関係があるとは限らない。5萬を切って立直しても、2萬・8萬が当たらない保証はないにゃ(いわゆる引っかけ)。宣言牌のスジは、その2の表のスジとして1本ぶん数えるだけにして、それ以上に安全だと思わないこと。
最後にひとつ。現物とスジが効くのは立直者に対してだけではないにゃ。振聴は立直していなくても成立する(ロンだけができず、ツモは可)ので、副露している相手にも黙って聴牌している相手にも、その人の河にある牌は当たらない。副露者の河も、現物の一覧として読むにゃ。






読みを危険度に反映させる
その2の安全度の表は、1人の相手に対して河と見えている枚数だけで決まる順番にゃ。読みはその順番を入れ替えるために使う。動かし方は3方向だけ覚えておけば足りるにゃ。
①色まるごと動かす(混一色・清一色の読み)。②数字の帯を動かす(断幺九なら1・9・字牌、チャンタ系なら4・5・6)。③手の内の枚数で待ちの形を絞る(3副露・4副露)。この3つ以外の細かい読みは、材料のわりに外れやすいにゃ。
| 河・副露から見えること | 危険側に動く牌 | 安全側に動く牌 |
|---|---|---|
1色だけ河に無い+役牌の副露 混一色の疑い | その色ぜんぶと字牌 | ほかの2色(読みが当たっていれば当たらない) |
2〜8の副露だけで、ほかに役が見えない 断幺九 | 2〜8の数牌 | 1・9・字牌(断幺九だけの手なら和了できないが、手の内に役がある可能性は残る) |
1・9・字牌を含む副露が2つ以上 チャンタ系・混老頭 | 1・9・字牌とその隣 | 4・5・6 |
4副露で手の内が1枚 | その1枚(単騎)だけ | それ以外すべて。ただし何の単騎かは分からない |
その色が河に1枚も無い 読みではなく事実 | その色は全部が無スジ | — |
読みで動くのは順番であって、当たるかどうかそのものではないにゃ。どれだけ強い読みでも、現物より安全な牌は作れない。
読みの限界 — 外れる前提で使う
捨て牌読みが外れる典型は3つにゃ。ひとつ目は形式聴牌。終盤は役が無くても聴牌だけ取りに来る人がいる(荒牌流局の聴牌料があるから。第9章)。河が降りているように見えても、最後の数巡で手を戻して聴牌していることがあるにゃ。
ふたつ目は、そもそも相手が降りている場合にゃ。河が他家の現物ばかりに変わったら、降りている可能性が高い(安全な牌を使って手を進めていることもある)。その相手から放銃する心配は小さくなるけれど、その河は安全牌の集まりなので手の情報はほとんど無い。「読めるだけの材料が河に無い」状態だにゃ。
3つ目は手替わりにゃ。立直していない相手の待ちは毎巡変わりうるので、5巡前の河から立てた読みは、もう残っていないことがある。副露で確定した面子だけは変わらないので、読みの軸はそちらに置くにゃ。
だから捨て牌読みは、「現物が無いときに、当たる形の数が近い牌のどちらを先に切るか」を決める道具と考えるのがちょうどいいにゃ。読みが当たっている前提で危険牌を押すのは行き過ぎで、押すかどうかは手の価値と点数で決めるにゃ(その4)。
例題1 — 色の偏りから混一色を読む
中盤、対面が發をポンしている。河は6枚で、索子が1枚も出ていない。自分の手は二向聴で打点も無いので降りると決めた。何から切る?























例題2 — 読めないときは読まない
中盤、下家が白をポンし、さらに5筒6筒7筒をチーしている。2副露で手の内は7枚。自分は三向聴なので降りる。何から切る?


























例題3 — 読みで現物どうしを比べる
中盤に入ったところで対面が立直。下家は中をポンしていて、その河には索子が1枚も無い。自分の手は遠いので降りる。手の中に対面の現物は2種類あるけれど、どちらから切る?





























読みが当たっていたか、その場で確かめる
読みのいちばん困るところは、当たっていたかどうかが分からないまま局が終わることにゃ。混一色だと思った相手が本当に混一色だったのか、何巡目から分かる形だったのか、ふつうの対局では最後まで見えないことも多いにゃ。
本サイトには手牌を公開したまま打てる対局があるので、河から立てた読みと相手の実際の手を1巡ごとに突き合わせられるにゃ。読みの練習としてはこれがいちばん早い。手牌を公開した対局は成績には記録されないにゃ。
この記事のまとめ
- ✓河から分かるのは傾向だけ。待ちを1種類に絞る一点読みはできないにゃ。
- ✓読みは、その2の安全度の順番を入れ替えるために使う。土台は現物・スジ・壁・残り枚数。
- ✓序盤の中張牌とドラ切りは情報量が多い。字牌が出てこない相手は字牌を抱えていることがある。
- ✓河の色を数える。1色だけ出ていない+役牌の副露なら、その色と字牌をまとめて危険側に置く。
- ✓副露は手の内の枚数を教えてくれる。3副露なら残り4枚、4副露なら単騎待ちで確定にゃ。
- ✓立直後の河はツモ切りなので読む材料にならない。宣言牌のスジも、スジ1本ぶん以上には安全ではない。
- ✓形式聴牌・降りている相手・手替わりで読みは外れる。現物が無いときの順番付けに留めるにゃ。